<サーフキャンプに参加する>
南アフリカといえばジェフリーズベイに代表されるサーフィンの聖地です。しかし、日本からはあまりに遠すぎる。だからこそ惹かれるわけですが、私が初めて南アフリカに興味を持ったのは映画「ブルークラッシュ2」がきっかけでした。ストーリーこそ平凡ですが1人のアメリカ人少女がサーフボード片手に南アフリカを旅する姿が純粋に格好良いと感じたのでした。いつしかこんな世界観を旅をしてみたいと私は胸に秘めるようになりました。
そして、それが本当に叶う場所が南アフリカ・ケープタウンのサーフキャンプでした。
サーフキャンプとは、その名のとおりサーフィン目的のキャンプ旅のことで、欧米圏ではサーフィンの技量を問わず人気の旅行スタイルとして定着しています。
その中でも南アフリカにおける定番のサーフキャンプといえばStokedが提供するサーフスクール&キャンプツアーです。現地のバックパッカーホステルや語学学校からの参加者で賑わっている人気のサーフィンツアーです。
私はこのツアーに4回ほど参加した常連ですが、恐らく私ほどStokedのサーフキャンプに参加した日本人はいないのではないかと思います。だからこそサーフキャンプの体験談を書き残しておこうと思いました。
<概要>
Stokedのサーフキャンプは2dayコースと3dayコースがあります。
2dayコースはミューゼンベルグにあるバックパッカーホステルSoul suferに滞在してサーフレッスンを受けるというスタイルです。夜は近くの酒場で軽く一杯という気軽なスタイルですがキャンプ感はあまりありません。
一方、3dayコースはアフリカ大陸最南端のアガラス岬まで巡る長旅でその近くのRoman Beachをメインに過ごします。私は断然この3dayコース派です。なぜなら3日間も一緒に過ごせば参加者と自然と仲良くなれるからです。
<サーフキャンプ体験談>
ホームページを通して予約すると待ち合わせ場所が指定されるのでそこでピックアップしてもらいます。順々にピックアップしていき8名くらいのグループになります。男女半々ぐらいでしょうか。これから3日間を過ごす仲間たちと雑談しながら海に向かいます。
初日午前中はケープ半島ミューゼンベルグのポイントでサーフィンレッスンです。私は経験者なので先に海に入って自由にサーフィンしますが、大半はサーフィン初体験なのでインストラクターがじっくり基本動作を教えます。初心者組は白波が打ち寄せる浅瀬でボードに立つ練習です。
午前のレッスンが終わるとひたすら車を東に走らせます。さすがに皆、疲れて寝ています。ノスタルジックな音楽が響き車窓には雄大な自然が流れます。
途中、場所は忘れましたが街中に車を停めて昼食をとります。夕食に備えてお酒も調達。
私はフランス人女性のルーとワインを調達してトイレに寄りましたが戻るとワゴン車がないというハプニングに出くわしました。ルーがファックを連呼していたのは良い思い出。しばらく街を彷徨っていたら見つけて貰えましたが、このハプニングで彼女と距離が縮まり、英語に不慣れな私を色々サポートしてくれるようになりました。
それからRoman Beachのコテージに到着する頃にはすっかり日が暮れています。軽くビールを飲み、夕食を済ませたら爆睡です。
翌朝も午前中からサーフィンレッスンです。Roman Beachの波は良質というほどではありませんがほぼ貸切状態なので快適です。
海から上がると午後は南アフリカ最南端のアガラス岬まで車を走らせます。そこで日本の朽ちた難破船を眺めて皆で記念撮影。帰りにバーベキューに必要な薪や肉を買います。
コテージに到着すると、皆でビール瓶片手に近くの砂丘に登ります。サーフボードを半分にカットした板も一緒に引っ提げて頂上に登るとサンドボーディングの始まりです。
結構な急傾斜でちょっとビビりますが、怖いもの知らずに皆がチャレンジし始めるので私も意を決して滑ります。そんな瞬間をオランダ人のリッキーが撮ってくれました。リッキーは彼女のローラとこのキャンプに参加しており、私はオランダで再会するほど仲良くなりました。
それから砂丘の上で夕日を眺めてビールを堪能。ぶらぶらとコテージに戻ります。こんな素朴な時間が本当に美しく感じられるのはなぜでしょうか。
バーベキューの準備になると男性は薪割りをして女性は料理を始めます。誰が役割を決めたわけではありませんが皆が自発的に出来ることに取り組みます。
準備が整うと乾杯です。日本ではなんて言うのか聞かれたので「カンパイ!」でスタート。名産のワインとオーストリッチ(ダチョウの肉)を堪能しながら、マシュマロを焼いたりビールポンという宴会ゲーム的な遊びをして盛り上がりました。ビールポンとは卓球台にビールの入ったコップを並べて敵陣のコップにホールインワンさせたら相手がそのコップを一気飲みするゲームです。負ければ負けるほど飲む羽目になります。
翌朝は眠気まなこのまま近くの洞窟を散策して海水浴をします。
それから初日のミューゼンベルグ方面に戻り最後のサーフレッスンをして終わります。驚くことに3日間もサーフィンしていると未経験者でもしっかり沖に出て波に乗れるようになります。私はこのレベルに到達するまで日本で結構な時間を要しましたが、波の恵まれた環境で夢中に楽しめば誰でもこのレベルに到達できるのだと感じました。
帰路、皆で別れを惜しみながらピザを食べました。ちょっと観光客向けの高級店だったのでインストラクターたちは店外で待機していましたが、皆でお金を出し合って彼らにご馳走することにしました。
そして、帰路、順々に宿に停まり一人一人と別れを惜しみます。寂しいけれど、世界はこんなにも温かい友情に包まれていると思うと、この世に生まれて本当に良かったと思うわけです。
これが私の初めてのサーフキャンプでした。それから私がこのStokedの熱心なリピーターになったことはいうまでありません。サーフキャンプという旅行スタイルは私の定番になったのです。
言葉では伝わらない雰囲気はこちらの公式動画をご覧ください。